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チポリーノの冒険

◆きのこ文学愛好家の本棚◆
チポリーノの冒険 ジャンニ・ロダーリ作 1951(イタリア)
さし絵 B.スチェーヴァ (ロシア)
杉浦明平訳 1956(岩波少年文庫)
チポリーノの冒険_f0169942_22523011.jpgアメリカニンジン先生は、はなをかみました。
「若さまは、うわごとをいっておられる。病気はたいへん重いようです」
いちばん売れている医者が招かれました。
 まずはじめに、ほしキノコ博士がやってきて、ほしたキノコの煮出し汁を飲むように命じました。
 しかし、この煮出し汁は、ちっともききめをあらわしませんでした。それどころか、そのつぎの豆ビワ博士は、ほしキノコがこのような種類の病気にはひじょうに危険であること、そして、日本ビワのしぼり汁こそ何よりよくきくと、診察したのです。
(チポリーノの冒険 第八章 クリ博士が、城から追いだされます)より

★この「チポリーノの冒険」はイタリア共産党機関誌「ウニタ」の子供向け新聞「ピオニェーレ」に連載され人気を博し、その後ロシアにも紹介、S.マルシャークがラジオ用脚本になおしたりしてロシアでも人気となった。岩波少年文庫のさし絵はロシア版からとられている。チポリーノ=タマネギ小僧がトマト騎士やレモン太公の横暴に立ち向かう冒険。
★上記の場面は村のこどもたちと話すべからずとされていたサクラン坊やがようやく友達になれたチポリーノと会えなくなるのを悲しんで泣き続けているのを、病気と勘違いした養育係のアメリカニンジン先生の指示で呼ばれた医者達として登場するほしキノコ博士。相当怪しいお医者さんで、この後全然お話には登場しません!悪いキノコもいるもんです。(その後のビワ博士は何故か日本ビワらしいですがこっちも怪しさ百倍です)スチェーヴァさんの果物や野菜の擬人化絵はどれもとっても可愛いですがこのキノコ博士は見るからに嫌な奴っぽく描かれています。でも服が大きめのカラーつきのローブのように描かれて、たぶんベニテングタケの博士っぽい感じがすごくよくでていて、すごく好きなイラストです。博士が持っている(ほしたキノコの煮出し汁入り?)瓶もよく見るとキノコ型でかわいい!
★しかし、もしほしキノコ博士の煮出し汁がベニテングタケの煮出し汁だったとすると確かにビワ博士の言うように「このような種類の病気にはひじょうに危険」というのは正しそうです!
幻覚を見るかもしれませんよね。SOMA?

by gallery_kinoko | 2008-12-25 22:57
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